Peter F. Drucker
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1909年11月19日 - 2005年11月11日
彼は「分権化」などの多くの重要な経営コンセプトを考案したが、その興味・関心は企業の世界に留まることを知らず、社会一般の動向にまで及んだ。「民営化」や「知識労働者」は彼の造語で、後に世界中に広まる。特に非営利企業の経営には大きなエネルギーを費やした。1990年には『非営利組織の経営』(原題:Managing the Nonprofit Organization: Principles and Practices)を著している。 彼の著作には大きく分けて、組織のマネジメントを取り上げたものと、社会や政治などを取り上げたものがある。本人によれば、彼の最も基本的な関心は「人を幸福にすること」にあった
『現代の経営(上・下)』(ダイヤモンド社、1965年) - 1954年著作。目標管理を提唱。マネジメント・ブームに火をつける。 「1998年ごろが、米国経営学界における『脱・ドラッカーの転換点』ではないか」
1998年の米国経営学会(AOM)でピーター・ドラッカーが基調講演をした
三橋平・早稲田大学商学部教授(以下三橋):私は1994年に大学を卒業していますが、学部生時代に読みました。慶応義塾大学総合政策学部だったのですが、ゼミの教授が常識として読みなさいと言っていたからです。当時は日本でも、経営学を学ぶといえば、まずドラッカーだったのだと思います。 ところが大学を卒業してすぐ米国に渡ると、誰もドラッカーを読んでいない。教授の本棚にも置いていない。
ドラッカーが亡くなったときに、博士課程で同世代だった友人のところにCNNから取材の申し込みがきました。米国人の友人ですよ。CNNから連絡を受けたのは朝だったのですが、「ちょっと忙しいから3時間待ってくれ」といったん保留して、何をするのかと思ったら、大学内の書店に行って著書を読んで、それですごい人なんだと解説したと。それを聞いて、ああやはり米国ではそういう存在なんだと思いましたね。
三橋:恐らく、ドラッカーはとても核心的なことを言っているのでしょうけれども、因果関係には、あまり言及していません。
今の経営学者の多くは、因果関係の解明に最大の関心を持っているので、目的に合わないのだと思うのです。
そういった定量的な分析手法に慣れてくると、だんだん、そうでないものが理解できなくなってきてですね……。そういう頭でドラッカーを読むと、因果関係を示すような記述がないので、だんだんと困惑してくるというか、何を言っているのかが分からなくなってくるので……。
年代が上の(1970~80年代から活躍していたような)大御所の頭には、ドラッカー的なものがすんなり入る。それは若い頃に叙述的な本を読んでいたからだと思うのです。しかし(1990~2000年代以降に研究者になった)僕らはもう論文しか読まないので、価値観が大きく違う。
そういう定性的な本を読んでいると、定量的な分析手法の勉強が間に合わなくなるのだと思います。
かえって、日本人が(哲学や文学などの)人文知をしっかりと勉強して、その上で科学知に取り組んでいくようになれば、何らかのアドバンテージがあるのかもしれないですよね。